暑いですね…
この暑い中、太宰治のゆかりの場所を訪ねて、千葉県船橋市に行ってきました。
「九重橋のレリーフ」「太宰治の植えた夾竹桃」「太宰治旧宅跡」などを見てきました。
のんびり記事なので気楽にお読みください。
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千葉県船橋市について
千葉県船橋市は2022年に人口64万になりました。
都会です!船橋駅から京成船橋駅まで移動するのにほとんど地面を通らない。
ただ、駅から東に行って川沿いを歩くと、駅前の様子が嘘みたいに静か。
一回目に歩いたのは、2022年7月17日です。
ちょうどお祭りがやっていました。(湊町八剱神社本祭り)
川に大漁旗が立っているのを見て、漁師町なんだと実感します。
お祭りといってもお神輿もなにもない時間帯だったので、基本的にはやっぱり静か。
それぞれの家の前に、お祭りの飾り(提燈的なもの?)が飾られていました。
元気な妖怪たちがかわいいです。
太宰治と船橋
太宰治は、1935年(昭和10年)7月から1936年10月ぐらいまで、ここ船橋で内縁の妻の小山初代さんと共に過ごしました。
太宰治が26歳~27歳の時です。
このころの太宰は、
- パピナール中毒(鎮痛剤にも使われる薬物)で不眠&腹痛
- 第一回芥川賞の候補になりながらも落選・川端康成からの評価に「刺す」と激怒
- 授業料未納で東京帝国大学を除籍
- 第二回・第三回の芥川賞に執着→でもダメ
と、精神も身体も弱っていて、じつは自他ともに太宰治は間もなく死ぬものと思い思われていた状態。
けれど、太宰自身はのちに『十五年間』という回想記の中で、船橋について
私には千葉船橋町の家が最も愛着が深かった。
とも言っています。
船橋時代には初の小説集『晩年』が出版されました。
また、船橋が舞台となっている『黄金風景』も、闇が晴れるような物語です。
船橋は太宰にとって転機になった場所なのかもしれません。
けれどパピナール中毒はその後もひどくなり、太宰は板橋区の武蔵野病院に入院。船橋時代はこれにて終焉しました
※この期間に起こった出来事については、山内祥史『太宰治の年譜』(大修館書店)を参照しています。
こちらでは太宰治『黄金風景』の考察をしています
太宰治『黄金風景』解説考察|2回の「負けた」の違い・お慶が壊した罪
船橋を散歩
それでは太宰ゆかりの場所を歩いていきます。
モチーフ満載の「九重橋」
船橋駅南口より徒歩7分
船橋を流れている川は海老川。その海老川にかかっている「九重橋」に来ました。
海老川に橋はいくつもかかっていますが、この九重橋が太宰治の旧宅跡からもっとも近い橋です。
橋の中央に本の形のオブジェ、欄干は太宰治作品をモチーフにしたレリーフで飾られています。
太宰治の代表作+船橋時代に描かれた『もの思う葦』『地球図』のセレクトです。
そして橋の中央の本型のオブジェは走れメロスがモチーフです。
海老川に架かる橋は、手の込んだオブジェがある橋が多くて、お散歩コースとして楽しかったです。
今回訪ねた、太宰治モチーフのレリーフがある九重橋はこちら。
とても静かな「太宰治旧宅跡」
船橋駅南口より徒歩10分(九重橋先)
九重橋をわたると近くに太宰治の旧宅跡があります。
当時は新築の借家だったようですが、今は碑だけが置かれています。
「まさかこんな普通の道にはないかな」というような住宅街です。
しかも通りの入り口からは見えにくい位置です。
住宅街を覗き込む、挙動不審な人になりました。
ひっこんでいるところにあるんですよね…。
看板のアップ。
太宰治旧宅跡はこちらです。
本当に静かな住宅街なので、あまり騒がない方がいいかも。
太宰治の植えたゆかりの夾竹桃&青桐の子孫
船橋駅南口より徒歩7分
船橋市民文化ホールには、太宰治の植えた夾竹桃があります。
こんな暑い時期にわざわざ出かけたのは、この夾竹桃が咲いている様子が見たかったからです。
うーん、満開ではない
咲いていたけれど、満開とはいきませんでした。
樹のたもとには、太宰治の作品『十五年間』を記した石碑があります。
たのむ! もう一晩この家に寝かせて下さい、玄関の夾竹桃も僕が植えたのだ、庭の青桐も僕が植えたのだ、と或る人にたのんで手放しで泣いてしまったのを忘れていない。
太宰治『十五年間』
船橋の家を引き上げなければならなくなった日の出来事の描写です。
そしてその横にあるこちらのすべすべした樹。
樹に何も説明書きがなかったけれど、こちらのサイトに載っている、「太宰治の植えた青桐の子孫」ですよね。
青桐は明るい樹皮が綺麗な樹でした。
太宰は『黄金風景』で、夾竹桃については
庭の隅の夾竹桃の花が咲いたのを、めらめら火が燃えているようにしか感じられなかったほど、私の頭もほとほと痛み疲れていた。
と言っていたけれど、青桐はそれとは違う、すっと伸びる爽やかな樹でした。
けれどできれば満開の夾竹桃が撮りたい!
もう少ししたらきっともっと咲くんだろう、満開の花をブログに載せよう!と思い、8月7日に再度行ったら…
なんか花も終わって木もしなびてるように見えました。
世の中暑すぎ!
暑すぎ!
船橋市民文化ホールはこちらです。
太宰治の夾竹桃と、青桐の子孫は入り口そばにあります。
しかし暑かった…。
来年こそ満開の夾竹桃がとれますように…
何日ぐらいにいったら満開の夾竹桃が撮れたんだろ…?
夾竹桃が満開になる様子がわかる人はぜひ、コメントで教えてください。
今回は、太宰治ゆかりの地、船橋を散策しました。
おまけ
船橋行くんだったらこういうところにもいけばよかったなー。
親子3代で営む船橋市場の名物食堂! いつもにぎやかな『大乃家食堂』で海鮮丼をいただく|さんたつ by 散歩の達人 https://t.co/xqaVDsZgJD
— Katsuhiro Nakayama (@Kohntarkosz_921) January 12, 2021
【大乃家食堂】営業時間:5:30~13:30/定休日:市場に準ずる(日・月2回の水・不定休)/アクセス:京成電鉄京成本線京成船橋駅から徒歩15分※コロナ渦につき事前に最新の営業時間の確認をお願いします
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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